代表税理士のコラム | 税務・会計の専門家 藁総合会計事務所
事業化する! ー計画は必要か?ー『2019年4月号Way To The Top』より
事業を始めるにあたって、計画は必要か。それとも必要でないか。それとも良い製品があれば良いのか
戦略・計画を立てる派閥
素晴らしいアイデアがあり、そのアイデアを事業化をするときは、前提となっている条件やそのアイデアが、どれほど力強いものかを確認すれば、自信を持って事業を前に進めることができ、利害関係者に対して説得力が増します。
戦略や計画なしで事業を進めることは、思いつきで事業を進めることとなり、練り込んだ計画・戦略で事業化した競争相手には勝てないと考える派閥です。
既存企業と競争するか、共存するか
既存の大手企業と手を結ぶことにより、整備された市場に短期間に参入でき、既存企業の経営資源や流通網を上手に利用できるかもしれません。しかし、大企業の官僚体質により事業が進まないこともあるだろうし、成功したときに新規事業側にはわずかな分け前しかないという理不尽なことを被る可能性があります。
既存企業と競合する場合には、新規事業側が想定した顧客価値を築き、既存企業が見落としていた顧客層を相手にし、それまで成功していた既存製品を代替することができます。その一方で、資金量に勝る既存企業と対決しなければなりません。
ねばれ、諦めるな!『2013年12月号Way To The Top』より
上司や先輩から叱られ、つらいこともたくさんある。いろいろなお客さんを数え切れないくらい訪問して、断られる毎日。でも、営業はつらいばかりではありません。そんな厳しい中でもお客様が話を聞いてくれて、商品を買ってくれたとき、大きな喜びとなります。人と会う楽しさ、人とつながって人脈となる喜び。深い信頼関係を築くことに営業の意味を見つけることができます。と営業について書いてみましたが、多くの新人営業マンがドロップアウトしていく現実が目の前にあります。
ブルーオーシャン
理想をいえば中小企業は、ニッチ市場でそれなりのシェアを獲得し、営業に力を注がなくても、好業績を獲得したいものです。イメージとしては、誰も来たことがない南国の砂浜を発見し、その美しいビーチをたった一人で独占している状態(ブルーオーシャン戦略)です。しかし、実際はたくさんの同業他社がいる中での血で血を洗う(レッドオーシャン戦略)状態になっています。
競合企業の戦術に併せて自社の戦術をコントロールし、ある時は少し利益が、そうでなければ赤字がでる厳しい戦いです。もちろんそこまで緻密な戦術の展開ができていれば良いのですが、これがなかなか難しいのです。
事業化する!(2)ー 計画は必要か? ー『2019年8月号way to the Top』より
滅亡へ続く門は大きく広いため、そこを通っていく人は多い。(マタイによる福音書 第七章十三節)
前回の復習
「事業を始めるにあたって、計画は必要か。それとも必要は無いか。いずれでもなく良い製品があれば良いのか。」という問題提起のもとに、それぞれの主張を検討しました。
戦略・計画が必要だという派閥の主張は、戦略・計画をたてずに事業を始めることは、思いつきで事業を始めることと同じであり、練り込んだ戦略・計画で事業化した競争相手に勝てないと考えます。そこで前回は、既存企業に対して「競争する」と「共存する」、技術や商品を「囲い込む」と「打って出る」の2軸で戦略を検討しました。このようにフレームワークを使って事業を理論化すれば、漏れなく簡潔に文章化ができます。また全ての戦略にはトレードオフの関係があるので、戦略の利点、弱点を理解し、自信を持って事業に取り組むことができると主張します。